【資格試験合格・大学院入試対策で、独学者には並走者が必要】~物語~

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場所は北海道中心部の美瑛町。

北海道らしく、どこまでも真っ直ぐな道ですね。この道をスタートにして、ジュンヤは《資格試験合格・大学院入試合格》というゴールを目指します。現在地から見る限り足元の道はコンクリートでで整備されていて、しかも下り坂です☆彡。

ジュンヤは、短距離走では無双でした。練習(勉強)も1夜で何とかなってしまうほどの実力で、まさに無双状態。この自信をさらに深めようと、遂に今回年に1回開かれる長距離マラソン(資格試験)に参加する事を決めました。

【ジュンヤ】“やっとこの日が来たか……。待ち遠したっかぞ!!長距離マラソンと言っても、所詮は短距離の集合体よ…。このまま自分のペースに真っ直ぐ行けば、簡単にゴールに到着出来るんじゃないのかな??もしかしたら1位でゴールできるかも^m^??ワクワクしてきた^^!”

しかも天気はこのスタートを祝うように快晴だ!

よ~い、スタート!!!

【ジュンヤ】周りには沢山の並走者が居るな……。

【ジュンヤ】しかもゼッケンには『資格の学校T〇C』とか『本気になったら〇原』とか、大手予備校のコーチがちゃんと付いているじゃんか!みんなお金に余裕があるんだな……。でも俺は独学で頑張るんだ。

【ジュンヤ】しっかし可笑しいくらいに道が真っ直ぐだな……。みんなノロノロ走ってるけれど、俺は差をつけるために一気に突っ走るぜ!!先手必勝!!

(猛ダッシュ!!)

……………

…………………

……20分後………、

【ジュンヤ】はあ…はあ………流石に疲れたな…。廻りには誰も居ない。いきなりのダッシュのお陰で、ライバルに大きく差を付ける事が出来たぜ!気分は最高!!皆、あんなにノロノロ走りやがってさ!ははは、馬鹿なんじゃないの~~。

気分は揚々!

【ジュンヤ】よし、ここまで来れば歩いても大丈夫だ。ゆっくりゴール(合格)まで行こう。あれ?そもそもゴール地点ってさ、この大会(試験)で最初に貰った地図に書いてあるけれどさ、変な地図だな…。朝はちゃんと見てなかったけれどさ……なになに??……げッ!!ゴール地点って曖昧にしか書いてないじゃんかよ!赤い丸でポチっと示してるだけじゃんか!え~~~と、このゴール地点は……山なの??山~~~?!?!あんなに道が真っ直ぐだったのにさ、山行かなきゃいけないの???!!周り観ても山なんか無いぜ!!実はこのマラソン(試験勉強)ってむちゃくちゃ遠いんじゃねえの~~!?中継地点とか無いのかな??何か不安になってきたよ…。

最初勢い任せに走り出したジュンヤは、マラソン(試験)時点での注意事項をよく聞いていませんでした。独学でトレーニングしていたため、全部自分の解釈で決めてきたのと、面倒くさい話は聴かないようにしていたからです。

地図をなおすと、貴方は再び走り出します。不安で気が焦ってしまいました。しかも、確認したのはゴール地点(合格)のみで、自分の現在地も良く確認していないです。

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【ジュンヤ】げっっ!!ここからいきなり上り坂じゃん!!家の近くの道は平地ばかりだし、上り坂はきついな……。このマラソン(試験)って上り坂結構あるのかな?俺上り坂嫌いなんだよな~~。ここは慎重に…………いや!駄目だ!こんな事で負けていてはゴール(合格)出来ないぞ!!ここは猛ダッシュして登り切ろう!

ジュンヤは猛ダッシュでこの坂を登りました。

(へ!いままで短距離型では無双だったんだ!このやり方で俺は結果を出して来れたんだぜ!今回もやってやるさ!!)

したら休憩地点だったのか、先ほどの≪資格の学校T〇C≫のゼッケンを付けた2人のランナーがスポーツドリンクを飲みながらニコニコ話に花を咲かせていました。

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【Aさん】:いや~コーチの言う事素直に聴いていて本当に良かったよね!ここまではジョグで来ると体が暖まってその後の調子が整って走りやすいよってね~~^^。

【Bさん】:本当だね~~!さすが大手のコーチだけあるよね~。このチーム(予備校)で本当に良かった~~!ねぇねぇ、A!昨日にコーチから聴いたんだけどさ、例年このマラソン(試験)でさ、私たち大手に属さないで自分で独学で走っているランナー(受験生)って廻りに差を付けようとしていきなりダッシュで行く人が本当に多いんだって!!

【Aさん】:マジで?それヤバくない!??この後上り坂が結構あるし、私達ランナーの判断能力を試す意味で、敢えて指示標識を外してある道もあるのにね!!

【Bさん】:本当にそうだよね!でも、毎年居るんだってそういう人が…。独学ランナーに多いらしいよ。1ヵ月前の直前模試でさ、今年のマラソン(試験)では、あの森に繋がる道の分岐点のところで標識外しているらしいよね。

【Aさん】:うん!覚えてる、覚えてる!!たしかコーチそう言ってたよね!!

【Bさん】:あそこで間違えると、他の地点で全部ダッシュしなきゃいけないんでしょ…。独学の人ってさ、自分で勉強してるからそれが分からなくて結構あの森に入りこんでリタイアする人いるらしいよ。

【Aさん】:そうだろうね……。B…、実は私も前に独学だったけれど、2年前に同じマラソン(試験)に参加してさ、森に行く以前に熱中症で倒れたんだ。

【Bさん】:…?!マジで!!??2年前からこのマラソン(試験)に参加していたんだ…!知らなかった。

【Aさん】:うん、恥ずかしかったから黙っていたけれどね(笑)。ははは、今年こそはゴール(合格)したくてこのチームに入ったの。したら、知っておけば良かったって思う事ばかりでさ…。練習方法(試験対策)とかね。知らない事ばかりで。もっと早くこのチームに入っておけば良かったな~~といま実感している。しかも、今日この後に雨でしょ?

【Bさん】:そうね!今年のマラソン(試験)は、完走者(合格者)の質を高くするために、雨の日を狙ったってコーチが言っていたよね……。

【Aさん】:だね。ずぶ濡れになるけれど、その対処法も教えてもらったし☆彡。あの森に迷い込んでしかも雨って考えただけでも恐ろしいよね…。でも私達は、この調子でいけば完走間違いなしだね!

【Bさん】:うん^^!

【Aさん】:よし、じゃあそろそろ行こうか?!

……2人はスポーツドリンクをゴミ箱に捨てて、再びジョグをしだした。

【ジュンヤ】:あ……あの~~!すみません!!

【Aさん&Bさん】:………??!!!!はい??何ですか??

2人は走り掛けにいきなり大声で話しかけられて驚いたのか、声を合わせて振り向いた。

【ジュンヤ】:あ…あの、俺はジュンヤって言います。いきなり話しかけて申し訳無かったです><。ちょっと今の話聴いていたんですが、俺実は独学ランナーなんですけど、その……さっきの話にあった森とか雨とか全然知らなくて……。あ、あの地図って持ってますよね??

【Bさん】:……そうなんですか………。あ!!貴方、あのスタートと同時にいきなり坂道ダッシュした人でしょ?!さっきまで並走していたチームの皆と走りながら噂になってなんですよ、貴方(笑)。大丈夫ですか??見たところ、ぶっつけ本番感ありますけど。

【ジュンヤ】:ええ……まあそうなんですけど………。ははは、何か恥ずかしいな(苦笑)。

ジュンヤはもう、何も悪いことしていないのだが、罰が悪く笑うしかありません。

【Aさん】:私たちの話聴いてたんなら分かると思いますけど、今年のマラソン(試験)、けっこう辛いですよ…。2年前まで私も独学ランナーだったからわかるけど、そんな準備だったら苦労すると思うよ。

【ジュンヤ】:…みたいですね…。ですから…あの……地図書き写させて欲しいな~~とか思ったりして………ははは。

ジュンヤは気の無い笑いを浮かべた。

【Aさん】:…何を言ってるんですか!?地図を見せるのはカンニング行為として即失格ですよ!!それにこの地図には専門記号(専門知識)も沢山あって単純に見せたからと言ってちゃんとトレーニング(勉強)を積まないと分からない記号も沢山あります。しかもダミーの専門記号(専門知識)も配置されているし……。お気持ちは分かりますが、地図をお見せする事は出来ません。

【ジュンヤ】:………………………

【Bさん】:お兄さん、力になれなくてごめんなさいね。お兄さんが、いまの実力でこのマラソン(試験)をゴール(合格)出来る様に祈ることしか出来ないわ。それじゃあ、失礼します。

AさんとBさんは、ジュンヤにペコリと一礼をするとまた走り出した。

ジュンヤは晴天の下でいきなり絶望感に襲われた。

(何だって、………雨……森………してさっきの山…………地図はそんなに観て判断しなきゃならないことだらけだったんだ…………………。こんなに沢山の記号があってもダミーもあるなんて…………。どうしよう……。よし!男ジュンヤ考えていても仕方がない!実力と勘を信じて、ゴールまで一直線だ!!歴史上の偉人は、自分で道を切り開いたからな!!)

そう思うとジュンヤは書き込みの使用の無い地図を広げ、山の上にあるゴール地点(合格)を赤鉛筆で〇で囲い、自分の現在地の休憩地点を探し出して、1直線に線でつないだ。

【ジュンヤ】:真っ直ぐが一番近ぇんだ!よし、周りはもう関係ない!直線ダッシュだ!!

ジュンヤは道ではなくて、目の前の干し草を刈ったばかりの畑を走りだした。

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…………周りに並走者はもういない。

ジュンヤは望み通り真っ直ぐに走り続けた。途中にさっき2人の言っていた交差路があったが、ゴールに向かう方向が同じなのと勘を信じて左に曲がった……

すると運悪く森の入り口だった。

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【ジュンヤ】:……うわ………マジかよ!ここってあの女の子2人が言ってた森じゃねえの!?地図見てみよっと!え~~~~と、あ!!この記号って≪森≫って意味だったんだ!マジかよ!もっとわかりやすく書けよ!

…………そうやって愚痴を言っていると……………………

雨が降ってきた。

泣き面に蜂とはまさにこの事かな…。

それでもジュンヤは進む。根性で進む。

でも事態は好転するどころか、悪化してきた。

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もはや行く末を阻む森………。

【ジュンヤ】:………マジかよ~~~~~~!!!!!!!!!何これよ~~!!!!!!道すら無ぇ!!!!!!!!どう仕様もねえじゃんか!!!!!!!!!

いくら根性でも、これはもうかき分けては前に行けません。目の前の道は草をかき分けて行けそうですが、向こう側はとても行けそうにない………。ここを真っ直ぐ行くのはどう考えても不可能です。

【ジュンヤ】:………あぁ………もうダメだ。リタイヤしよう。

ここは運良く、ちょっと歩くと小屋がありました。

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【ジュンヤ】:……?!助かった^-^!!小屋だ~~。一時はどうなる事かと思った!!

ジュンヤは小屋までダッシュして助けを求めました。表の玄関のドアを何度も叩きます。

【ジュンヤ】:ドン!ドン!ドン!すみませ~~~ん!!僕は今回このエリアでのマラソン(試験)参加のジュンヤと申す者です!!!誰かいませんか~~~?!?!

ありったけの声を出して助けを求めます。

すると……

【老人】:お~~~。どうした?お主はどこのもんじゃ?

恐らくここの小屋の主人だろう…。65歳くらいの白いひげを蓄えた老人が裏の薪屋から出てきた。

【ジュンヤ】:あ…助かった!お爺さん、ありがとうございます!僕は今回このエリアでマラソン(試験)参加のジュンヤと申します。実は……今回参加したんですが、地図の見方も分からないし、勘でさっきの休憩地点からゴールまで真っ直ぐに行こうと思ってずっと走ってきたんですが………あそこの森で前に行けなくなって………リタイアしようと思っていたんです。

【老人】:はっはっはっ^m^!!!何だ何だお主もか!!

ジュンヤは大声を張り上げて笑う老人を前に、目を丸くしてしまった。

【ジュンヤ】:……??お主も…って…どういうことですか?!?!

ジュンヤは老人に詰問する。

【老人】:若いの!若いの~~!そんなに興奮するでない!落ち着け!!いやの、この時期に毎年マラソン大会が行われるようになってもう20年になるがの……、その度にお主の様な若者が毎年毎年4人があの森に迷い込んで、必ずこの小屋に来るんじゃ(笑)!!そうやって懇願の眼をして冬山で遭難した登山家の様な焦りぶりでな!!

【ジュンヤ】:そうだったんですか………ってそんなに笑わなくてもいいじゃないですか!!

【老人】:いやいや、すまんの(笑)。でもこれが笑わずには居られんのじゃ。毎年毎年ランナー(受験生)は4人とも同じ態度を取るからの~~~。

ジュンヤは全く笑いを辞めようとしない老人を前になんだか恥ずかしくなってしまい、顔を赤らめている…。

【ジュンヤ】:ちょ………ちょ……………ちょっと道を間違えただけですよ!!こう見えても俺はですね、今まで短距離マラソン(軽い試験)では自分の力でダッシュで完走してきたんです!それが今回の本マラソン初挑戦で慣れなくて、少し迷っただけなんですよ!!

【老人】:“ほ~君はもともと短距離走者か??”

【ジュンヤ】:そうです。今回は、自分の実力をまた伸ばしたくて、さらに自信を付けくて、どのチームにも頼らずに僕は独学でこのマラソン(試験)に参加したんです!まさか地図の見方とか雨とか森とか…そんなのあるの知っていれば僕だってこんな目には合ってないんです。

ジュンヤは、老人に自分の正当性を熱弁し始めた。もはやこれは開き直りだ。だけれど、プライドの高いジュンヤはそんな事には全然気づかない。

【老人】:喝~~~~~~~~~~!!!!!!!

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ジュンヤは驚いた!!今まで豪快に笑っていた老人がいきなり怒鳴ったからだ。

【老人】:若いの!お主は何を言っておるのじゃ!!??このマラソン(試験)はな、時間制限関係無くゴールテープを切れば≪合格≫なのじゃぞ!!わしはこの20年間ここに住んでいてな、毎年迷い込んでくるランナーに同じ質問をすれば、返ってくる答えは皆同じじゃ!!

≪独学で勉強をした自分を信じました≫・≪今回初挑戦でした。今回は経験です。1回目は仕方ありません。これも社会勉強です。≫挙句の果ては、≪どうせ、俺なんか最初から完走は無理だったんです……(涙)≫…

言い訳だけは天才的に上手い!それなら最初からどこかのチームに入ってコーチの言う事を素直に聴けばこんな事にはならなかったはずじゃ!!さっきの休憩地点からゴール地点まで真っ直ぐ走ろうと決めたのはお主じゃろう!!??誰にも強制されていない。…して、そう決めざるを得なかったのは、お主の事前情報収集不足じゃ。全部お主が招いた種じゃ!!!!!

それを人や環境のせいにしよって………。ワシは20年間毎年この時期にこうやって4人に対して情けない思いをしとるんじゃ!!まったく…最近の若い者と来たら……………。

【ジュンヤ】:…………………………………

ジュンヤには返す言葉もない。ジュンヤは雨に打たれながらずっと老人の話を聴いていた。

【老人】:……お主はどうしてこのマラソン(試験)に参加した??

【ジュンヤ】:………?

【老人】:このマラソン(試験)を完走(合格)する事で、何を得たい??

【ジュンヤ】:………………………………

ジュンヤはそんな事考えた事も無かった。ただ、完走して道場破りのごとく実力の幅を効かせたいと思っていたのが本音だからだ。完走(合格)して自信を付けたい気持ちは大きかったが、それ以上の事は考えなかった。

【老人】:宜しい。もう顔に書いておるからの(笑)^^。怒鳴って悪かった。さあ、このタオルで身体を拭きなさい。びしょ濡れじゃないか…?わしの車でゴール地点まで連れて行ってやるからの。実は、わしは2年前までこのマラソン(試験)の地域スタッフを務めておったんじゃ…。確か2年前最後にわしが応対したのはあの休憩所から少し行ったところで熱中症で倒れた女子居っての………。この子はそのまま病院に運んだ。あの子はどうしとるかな……とたまに思うんじゃ。

ジュンヤは貰ったタオルで身体を拭きながら、老人の車に乗り込んだ。

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【老人】:元スタッフとして言わせてもらえば、このマラソン(試験)の規定によれば、恐らくこうやって誰かにサポートされた時点で失格・リタイアじゃ。それでも良いか??

【ジュンヤ】:……はい………。今回は身をもって自分の甘さを知りました。リタイアします。

【老人】:わかった。それでは行くぞい^^!!!

車が走り出した。

車の中で、ジュンヤはこのマラソン(試験)に掛けるまでの準備について思い返していた。今までの短距離と同じもんだろう…という甘い予測。よく考えたら、好きな練習(勉強)に偏っていた練習内容。周囲のランナーの調査不足(廻りのライバル受験生の勉強方法など競合調査)。いろいろあるが、原因は一つ。

≪根拠のない自信と自己解釈。情報収集の甘さによる、単なる準備不足。≫

これに尽きる。ジュンヤは悔しい思いを噛みしめながら、窓の外の移り変わる景色を眺めていた……。

中間地点では、相変わらずゼッケンを付けた多くのランナーが身体を休めていた。しかし、大きな中間地点だ。

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車が進むと…、気が付けば…最終ゴールの近くまでやってきた。

道を走るトップ集団を横目に車は走る。…さっきの女子二人組も颯爽と走っていた。雨除けのレインコートを脱いで、爽やかな笑顔だ…。Aは2年前の雪辱を果たせる見通しが立ったのか………本当に楽しそうだ………。

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………………

気が付けば雨も上がって、ゴールまで残り1キロになった。

ジュンヤは老人に訊いてみた。

【ジュンヤ】:あの………おじいさん、ちょっと訊いても良いですか??

【老人】:……ん?何じゃ?遠慮せんで良いぞ^^。

【ジュンヤ】:ありがとうございます…。あの~~、2年前までこのマラソン(試験)のスタッフをされていたんですよね?僕みたいな独学ランナー(独学受験生)で完走(合格)した人って居るんですか………??

老人は、火を付けようとしたタバコを置いて話始めた。

【老人】:はっはっは^0^!!!良い質問じゃの~~。結論から申し伝えよう!沢山居るよ(^–^)。

【ジュンヤ】:……………………!!

【老人】:沢山居る!独学ランナー(独学受験生)であっても、完走(合格)を勝ち取っておる者は沢山居るぞ!チームに所属するには結構な金(受講料)が掛かるからの………独学ランナーも多数居るのじゃ。独学ランナーで結果が出せるものは共通して居る。自分の特徴と、適切な練習と、事前の情報収集を客観的に行っており、トレーニング段階でチェックを怠っておらん。

【ジュンヤ】:そうなんですか…………

【老人】:そして何よりもな、チームに所属しないでも、コーチを雇って居る者も居る。この独学ランナーは完走(合格)後も様々な事で笑顔で頑張れているみたいじゃぞ。

【ジュンヤ】:コーチ……??

【老人】:チームに所属するほどのお金を払えないものが、フリーのメンタルコーチを雇って居る。客観的に自分自身を見て貰い、改善ポイントを戴いてモチベーション管理を定期的に行って居る。

【ジュンヤ】:そんな独学ランナーも居るんですね……。

【老人】:うむ。もちろん全員が上手くいく訳では無いがな。中にはコーチと相性が合わずにケンカになってしまう者も居る。ただそれは、チームに属しているランナー(受験生)も同じ事が言えるからの。

コーチ………モチベーションの定期管理……………そんな当たり前の事にお金を払う人が居たなんて…………

ジュンヤは、何か狐につままれたような気分になった。

【老人】:若いの!!着いたぞ!!あそこがゴールじゃ!!!

ジュンヤは思わず目を上げた。

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【ジュンヤ】:え?!?!ここがゴール????

【老人】:そうじゃ。

【ジュンヤ】:あの小っちゃな山が~~~~~!!!!!?????

【老人】:そうじゃ(笑)。

【ジュンヤ】:え~~~!!!!山の上のゴールかと思ったから富士山みたいなの想像していたのに、あれじゃ山じゃなくて丘じゃんよ~~~!!!!!最初から分かって居たらあんなに焦んなかったかもしれねえのによ~~~~!!!!!!!

ジュンヤは車の中で大声で文句を言った(笑)。

【老人】:何を言っておるのか!このマラソン(試験)は判断能力を試してそれが適切な人間のみがこのゴールにたどり着けるのじゃ。そういう思い込みではなく、専門記号や高さを客観的に観られる者であれば、そんな思い込みは発生せん!!それ、観てみろ!地図にはちゃんと高さが書いておろう……。

ジュンヤは地図を改めて見てみた。確かにさっき赤鉛筆で囲った山のゴール地点の部分にはよく見ると高さが15mと書いてある……。あの休憩地点で緊張しすぎて赤鉛筆をぐりぐりやりすぎて、標高塗り潰されてしまっていたんだ………。

【ジュンヤ】:マジかよ………。

【老人】:それ、もたもたしないで降りるぞ!わしも一緒にゴールまで行ってやる。

ジュンヤは老人に促され、一緒にゴールへ向かう山?を登り始めた。

頂上が見えてくると。先にゴールした受験生が2人居る。奥にまだ居るみたいだが、ここから見えるのは2人だけだ。

1人は≪本気になったら〇原≫のゼッケンで………、もう一人は………俺と同じ≪独学≫のゼッケンじゃないか!!!

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【老人】:何をブツブツ言って居るのじゃ?あと階段10段じゃぞ!頑張れい!!

【ジュンヤ】:あ、はい!!

雨もすっかり上がって、さっきまでの雨が嘘だったみたいな快晴が広がっていた。

あと5段…

あと3段………

そして…………

ゴール地点…………

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タッタッタッ………スタート地点に居たスタッフが駆け寄ってきた。

【スタッフA】:お疲れさまでした^^!え~~~と………ん??君はスタートと同時にいきなりダッシュした方だね…………あの後心配していたんだよ…。途中の中継地点にも顔を出さないし、森に迷い込んで熊にでも襲われているんじゃないかってね………。無事で良かったさ。こちらのお方と一緒に来たのかい??

【ジュンヤ】:はい!途中で道に迷って、どうにもならなくなったところを助けて戴いて車でここまで連れて来て頂きました。

胸を張って堂々と答えた。

【スタッフA】:そうかい?スタート時点での説明でもしたと思うけれど、このマラソン(試験)は、誰かの助けを得た時点で即リタイア…失格になります。それは分かってるね?

【ジュンヤ】:はい!分かってます!!

【スタッフA】:では現在時刻16時32分を持って受験生ジュンヤと同意の元に確認が取れたものとして、試験放棄です。お疲れ様^^!

【ジュンヤ】:ありがとうございます!

【スタッフA】:お疲れ様ね-^^-。本当に事故が無くて良かったよ。横に居られる方も、ランナー(受験生)を助けて戴けましてありがとうございました(^^)。

【老人】:いやいや……何もじゃ。わしも2年前まではスタッフじゃったからの……このくらいの事は……

すると、別のスタッフが駆け寄ってきた。

【スタッフB】:すみません!もしかして、貞三先生ではありませんか??!!

ジュンヤとスタッフAは供に振り向いた。

【スタッフB】:貞三先生ですよね??!!

【老人】:う………まあそうじゃが(笑)。そんな大声で言うでない!照れるではないか^m^!

【ジュンヤ】:あの~~こちらのおじいさんをご存じなんですか??

ジュンヤは聴いてみた。

【スタッフB】:君は、何を言ってるんだ!!こちらの方は、マラソン業界では有名なメンタルコーチの貞三先生だよ!かつては有名チームでカリスマコーチとして名を馳せたお方だ。コーチを引退されてからはボランティアでこの毎年行われるマラソン地域スタッフを勤めてくださっていたんだ!

【老人】:君、君……そんな大げさじゃぞ!何年前の事を申して居る!!そんな過去の事はもはや関係ない!いまや引退したただの老人じゃ。にも関わらずあの森のお陰でな、ランナー(受験生)が毎年毎年迷い込んで来るもんで、これも天命という事かの………(笑)。

【スタッフB】:いや~~何にしてもお元気そうで何よりです^^!僕もあのチームの受講生時代に貞三先生の元で指導して戴いてこのマラソンに10年前に完走する事が出来ました!私はそのあと沖縄に転勤になってしまったので、先生が引退されたと風の噂で聞いていたもので、こうやって再会できて嬉しい限りでございます^^!

【老人】:分かった!分かった(笑)!ありがとう(^^)。君も元気で何よりだ!ワシもまた逢えて嬉しいぞ。

【スタッフB】:最近は、この日本経済も低迷しているせいか……どうも独学志向のランナー(受験生)が増えてきているんです。チーム(予備校)所属はまとまった金が掛かりますからね…。そんな中で、“自己流”に異常に拘る独学ランナーがゴール出来ないで途中でリタイアする事例がここ近年増えてきているんです。一時期は無理してでも何とかお金を工面してチームに入るランナーがゴール達成者のメジャーでしたがね…。

【老人】:じゃの……。ワシは毎年そういう自己流若造をこうやってゴールまで連れて来てやっとるから、この事は痛いほど実感しとるんじゃ!

【ジュンヤ】:え?!おじいさんは森の入り口で迷った方々を、毎年僕みたいに連れて来てるんですか??

【老人】:そうじゃよ~~。君を含めて残念ながらゴール出来なかったランナー(受験生)が来年またチャレンジする際にな、このゴール達成の景色を見せてやりたくての……。

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改めて、快晴のゴール地点を見回してみた。心地よい風が吹くこの丘は、本当に気持ちが良い……。周囲には続々とゴール達成者(合格者)が来ているが、皆爽やかな笑顔や、中には嬉し泣きで泣き崩れてしまっているランナーも居る。

【ジュンヤ】:……………合格って素晴らしいな……………………

【老人】:来年は自分の力でな^^!!!

【ジュンヤ】:はい!!今回は本当にありがとうございました!!!!

【ゴール達成ランナー】:あの…………貞三先生………

恐る恐る声を掛けてきた若者をジュンヤと貞三は振り返った。さっき階段を上るときに見えていた≪独学者≫ゼッケンのランナーだ。

【ゴール達成ランナー】:…………!やっぱり貞三先生だ!!ご無沙汰しております!1年前はありがとうございました!!

彼は深々と頭を下げた。

【老人】:お~お~、今日ワシは何だか人気者じゃの…。君はどちらさんかな??

【ゴール達成ランナー】:はい^^!私は昨年にあの森の入り口で助けて戴いて車でここまで連れて来て戴いたヨシキと申す者です!

【老人】:………?!お~~~~~!!!そういえばその顔見覚えあるな~~元気そうで何よりだ!!!……ゴールしたのか??!!

【ヨシキ】:はい!!お陰様で、今日1位でゴールする事が出来ました^^!!!あの時、自分があの森で迷い込んだときに戴いた喝を胸に、練習方法(勉強方法)とゴール設定方法(ヴィ人設定・マラソンを達成した経験をこの後の人生でどう活かしたいのか?)を1から全部やり直して、Facebookでつながったメンタルコーチに指導して戴きながら、独学でやり切りました!!

【老人】:そうかい…そうかい………-^^-良かったの~~~。ワシも嬉しいぞ!

【ヨシキ】:はい!…去年はあの森に迷い込んだ事もそれまでの準備不足も、全部人のせいにしていました。でもあのときの喝で…そうやっている限りは絶対にゴール達成は無理だという事が分かって、今年に向けてじっくり準備を重ねたんです。その結果、1位で合格出来てマジで嬉しいです(^^)!!

【老人】:そうかい……良かったの………。おめでとう。でもこのゴールは君の実力じゃ…。ワシは1つの切っ掛けを与えたに過ぎんぞ。その後の事は全部君の選択基準が変わった事にあるんじゃ。おめでとう(^^)!!

【ヨシキ】:本当に………ありがとうございます!!!

ヨシキは深々と頭を下げた……。

ジュンヤはヨシキが羨ましく思った。と同時に、こんなに溌溂としているヨシキも去年までいまの自分と同じようなら、自分にも出来るという勇気も感じていた。

(俺だって、また今からやってやるさ……)

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今日はこの丘に連れて来てもらったけれど、来年こそは自分の実力で自分だけのゴールテープを切りたい……。誰かと比べて1位になるんじゃなくて、自分の目標とヴィジョンを明確にしてそこに向けて頑張りたい………心からそう思った。

【ジュンヤ】:貞三先生、スタッフの皆様、そして……ヨシキ君だっけ?今日は本当にありがとうございました。今日の事を活かして、また来年再チャレンジしたいと思います!!

【貞三先生・スタッフA&B・ヨシキ】:お~~!!!頑張れよ!!!!!

これからの希望を感じさせるような………清風がジュンヤの肩になびいた…………………

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