【理論論述問題の採点方法その1~答案は“読む”以前に“見る”ものだ。~】

どっかの“北の国”から、“ら~ら~ららららら~ら~~”というのどかな唄声じゃなく、ミサイルが飛んできていますね。

ロシアの様に、即迎撃できりゃあ思い悩むことは無いのにね………。

一定の資格試験・大学院入試では、概ね5以下の様な説明問題が出題されます。

(設問例1)資産除去債務の債務性の合理性について、論じなさい。

(設問例2)小樽の観光流入者は近年中国系の中でも香港からの移入者が増加傾向にある。この際に配慮すべき事を論じなさい。

(設問例3)日本国憲法9条2項の改正について、条文そのものの削除・改文なのか解釈の変更で片が付くのか、貴方の意見を書きなさい。

など。

資格試験・大学院入試の種類は様々なのでいちいち対応策については書きはしないですが、論述問題の答案の採点方法は概ね以下です。

≪そもそも、訊かれた事“のみ”に簡潔に答えているのか。≫

≪論理的な文章なのか。≫

≪単なる持論ではなく、専門知識を学んだ者として相応しい知見と理解に基づいたものなのか。≫

概ね以上です。以下“簡潔に”書いてゆきます。

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Ⅰ.≪そもそも、訊かれた事“のみ”に簡潔に答えているのか≫

これは、某難関国家試験の試験委員を務めておられた方から伺った事です。受験者の全体の6割~7割程度が、出題した事にダイレクトに答えていない答案を書いてくるのです。

訊かれた事の“周辺の領域”に対しての論述がなぜか多く、また、解答欄をとにかく埋めようとして、ジュースを水で薄めた様な冗長な答案も散見されます。

この理由はね、《本番の試験は、典型的な基本論点出題に見えたとしても、複数の論点を微妙に絶妙なバランスで混ぜてきているから》なんです。

受験生の全体の8割程度が勉強不足のままで受するのが実態ね。本番の緊張感もあって、受験生の大半は、問題文の全体を把握する事以上に自分がよく勉強してきた“典型的な基本論点”に結び付けます。まあ…そこに引っ掛けるための試験問題なのですが…。

だから、答案が微妙にズレるし、文章が冗長になるのです。

同じ試験委員の方から答案の全体的な印象を伺った事があります。肌感覚です。

・微妙にもったいない答案(※見事に問題文の微妙なトラップに引っかかった答案)⇒45%

・典型的な理解不足の答案⇒20%

・何となく言いたい事は伝わるんだけれども、点数を与えるわけには行かない残念な答案⇒10%

・答案見た瞬間に破りたくなる答案⇒5%

・必死に食らいついて及第点を与えても良いだろうと判断される優良答案⇒10%

・絶対理解していないんだけれども、論理一貫しているから点数を与えざるを得ない(笑)ムカつく答案⇒5%

・“そうそう!これだよ!分かってんじゃん^^!”という優秀答案⇒5%

こんな割合の様です。(※あくまでも、某難関国家試験のとある科目の話です。)

訊かれた事に簡潔に答えるってのは、簡単そうに見えて実は一番難しいんです。

この理由は、↑↑↑で書いた複数の論点の交ぜ具合は試験委員次第ですし、また、日本自体が抽象的な言語だからです。

正しい勉強を積み重ねる事で、必ず出題意図を見抜けるようになり簡潔な文章が書けるようになります。

Ⅱ.≪論理的な文章なのか。≫

ここで言う論理性は、首尾一貫性の事です。途中で言っている事が変わっていないで、主張が最初から最後まで一貫している事です。

資格試験・大学院入試で問われる“首尾一貫性”とは、専門家としてあるべき首尾一貫性の事です。

そもそも持っている論理的思考力ももちろん大事ですが、専門家として正しく理解した知識・知見を必要な場面で優先順位を付けて組み合わせられるのかが問われています。

正しい勉強を積み重ねていれば、論理的文章は必然的に書けるようになります。

逆に、非論理的な文章になってしまう理由は、単純に“その論点をよく理解していない”だけです。

実務上プロとして資格保有者として活動したり、研究者として発表するうえで、論理性は欠かすことの出来ないスキルなので、これが無いと致命傷です。

Ⅲ.≪単なる持論ではなく、専門知識を学んだ者として相応しい知見と理解に基づいたものなのか。≫

意外と多いんですよ。この系統の答案。

勉強してきた事じゃなくて、持論ばかりを語る答案です。

・“資格も大事だけれど、人間力が一番大事。”

・“すべての仕事は人を幸せにするためのもの。愛情に優るものはない。”

・“そもそも論に立ち返りますと……”………とかね。

↑↑↑こんな答案です。いや、そもそも論なんて訊いてないよ。問題の趣旨に合致した訊かれた事だけ簡潔に答えろよって話です。

採点する試験委員は、この手の答案が来ると正直ウザいです。試験問題というものは、ある程度の解答を“期待”して出題されるものですので、この“期待”に応えられていない答案が来るとストレスになります。

特に、↑↑↑の様な出題意図を完全に無視して自分の世界観をアピールされると不愉快です。

この2017年現在、自己アピールはSNSやブログで思う存分やれば良いだけの話です。

そして何よりも、持論を語るのは、試験以前に勉強をしてきていないからです。きちんと勉強を積み重ねていれば自信を持って解答が出来るのに、それが出来ないから自己PRに走るのです。

本当に多いんですよ。この系統。

資格試験・大学院入試に於いては、専門家として求められている“正しく理解した知識・知見”が身に付いているのかを心掛けましょう!これが身についていない者は、要らないんです。

Ⅳ.まとめ::≪答案は“読む”以前に“見る”ものだ。≫

答案は、ロボットが採点するわけじゃありません。感情のある人間が採点するものです。

ですので、どうしても≪印象≫が発生してしまいます。

字が汚かったり、改行のまったくされていない、しかも持論だらけの答案(苦笑)…

こんなんだったら、必然的に悪印象で点数は低くなります。

やはりね、この≪印象≫でも10点くらいの差が付くとの体感も試験委員から伺いました。

綴られた答案の束をめくりながら3,000枚くらい採点するのですが、“読む”以前に“見た”だけで、受験生が分かっているのか否かが一瞬で判断が付くそうです。もちろん、ちゃんと文章は読んで採点されます。

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