私が某レコード会社に勤めていた頃の話です。
仕事の合間に先輩と休憩がてら学生生活の話になった事がありました。
熊本県出身で御父上が税理士を開業している2歳年上の先輩より以下のお言葉を戴きました。

【先輩】:“崎山君ってさ、いま公認会計士の勉強しているんだよね??これだけは言っておくけどさ、絶対に公認会計士になった方が良いよ。”
【私】:“どうしてですか?例えば先輩ですと、この大手レコード会社の社員で7年も働いているじゃないですか。これだけのイベントの仕事しているんだったら、転職の時とかに大きな実績になりませんか??”
すると…
【先輩】:“そんな事あるわけないじゃん!あのね、いくらこの会社で仕事の結果を出したところでさ、これ全部会社の実績だよ。私だって7年勤めていても、ここ辞めたら“はい、ご苦労さん”で終わりなんだから。
サラリーマンで何年勤めていても、自分が会社でやってきた事なんて、強みとかアピールになんか全然ならないからね!確かに会社のネームブランドはあるよ。でもだからと言って自分自身のブランドで勝負してるわけじゃないし、特にこの業界は完全な縦社会だし、全部上層部の思い付きと気まぐれで色々決まっちゃうんだよ。
その点、資格があればそれで食べていけるじゃん。だから絶対に資格があった方が良いと思うよ。”
この先輩にはかなり強く言われたのをまだ覚えています。
廻りの他の先輩方も“うん、うん”と深く頷いて聞いていました。
挙句の果てには、“私たちがこの会社に居る理由なんてさ、全部あのマークだもん。あれ無かったらここになんか居ないよ。”と某エンタメ企業のマークを指さして話していました。
私は当時、28歳でアルバイトでこの某レコード会社に入りました。
ですが私はずっと大学院生で実務経験が周囲の同期と比べてかなり劣るために仕事の能力がとても低い事にコンプレックスを持っていました。
だから、当時は特に公認会計士試験突破で1発逆転を狙おうと考えていたのです。
資格があれば、自分の力で食っていける。
資格を持てば、それだけで競争優位になる。
さらに有名大学大学院を出ていれば、想わぬチャンスが舞い込む…。
もちろん世間はそんなに甘くはありません。
ですが、2021年を迎え新型コロナウイルス(COVID-19)の猛威が続く現在の状況を考えますと、やはり資格・学位は当然無いよりもあった方が良いと思います。
今後は、副業・《個》のセルフブランディングの時代……。
自分で価値を生み出して切り拓き続けられる者が勝者となっていきます。